株式会社セブン&アイ・ホールディングス(以下:当社)は、自然資本に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的な組織である「自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、TNFD※1)」の提言に沿った開示を行います。
2022年12月に開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議において、新たな国際目標として2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の考え方が示され、私たち企業も取り組みが求められています。当社は、この「ネイチャーポジティブ」の取り組みを強化・推進するため、2023年1月にTNFDフォーラム、2月に SBTN コーポレート・エンゲージメント・プログラム※2、9月に生物多様性のための30by30アライアンス※3に参画。2024年3月にはTNFD Adopters※4へ登録し、TNFDに基づいた分析・開示の準備を進めてまいりました。このたび、TNFDが提言するLEAPアプローチ※5を用いた分析の進捗としまして、Scoping(評価対象範囲の選定)、Locate(自然との接点の発見)、Evaluate(依存と影響の診断)の結果を開示いたします。
当社グループでは、これまでも環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』において脱炭素社会・循環経済社会・自然共生社会の実現を目指した取り組みを展開してまいりました。今後も、LEAPアプローチを用いた分析・開示を拡充し、そのプロセスを当社グループの環境活動の推進に活かすことで、持続可能な社会の実現に向けてより積極的に貢献してまいります。
1.主な開示事項について
1)グループの主な事業と自然への依存と影響を整理。当社の2030年に目指すグループ像として「『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」 と掲げることから、象徴的な商品としてコーヒー豆に焦点をあて分析・開示することを決定しました。
2)LEAP分析のLocate(自然との接点の発見)フェーズにおいて、コーヒー豆の主要な調達国・地域と生物多様性との関係を評価。優先的に取り組むべき地域の設定を行いました。
3)LEAP分析のEvaluate(依存と影響の診断)フェーズにおいて、コーヒー豆の一般的な自然への依存・影響の項目を特定しました。
2.開示媒体
1)コーポレートサイト:
https://www.7andi.com/sustainability/tnfd.html(日)
(2024年9月6日より開示)
https://www.7andi.com/en/sustainability/tnfd.html(英)
(2024年9月12日より開示)
2)『セブン&アイ経営レポート2024』:
https://www.7andi.com/ir/library/mr.html
(2024年9月20日(予定)より開示)
※1 TNFD
民間企業や金融機関が、自然資本および生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し開示するための枠組み構築を目指す国際的な組織。国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、国連開発計画(UNDP)、世界自然保護基金(WWF)および英国のNGOであるグローバルキャノピーにより、2021年6月に正式発足。2023年9⽉にTNFD最終提言v1.0を公表。
※2 SBTN コーポレート・エンゲージメント・プログラム
SBTNは、SBTイニシアティブの活動に基づき、持続可能な地球システムのために科学に基づいた目標を設定するための方法とリソースを開発し、提供する非営利団体と企業の共同組織。SBTNコーポレート・エンゲージメント・プログラムは、企業の自然資本利用に関する目標設定の科学的なアプローチを開発するために、企業をはじめとする多数のパートナーと協力していくことを目的としている。
※3 生物多様性のための30by30アライアンス
環境省が主催し、2030年までにネイチャーポジティブというゴールに向け、 2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標の達成に向けたアライアンス。
※4 TNFD Adopters
TNFD提言に沿った情報開示を行う意思をTNFDウェブサイト上で登録した企業・組織を指し、登録企業・団体は、2024年度分または2025年度分のいずれかにおいて、TNFD提言に準拠した開示が求められる。
※5 LEAPアプローチ
TNFDが開発した自然との接点、自然との依存・自然への影響、それらに伴うリスク・機会など、自然関連課題を評価・管理するための統合的なアプローチ。
〈ご参考〉
コーポレートサイトにおける情報開示のイメージ
以上